朝日新聞のデジタル版でこのようなニュースが出ていました。
日本人は欧米人よりも腎機能が弱く、腎不全などの慢性腎臓病になりやすいということが、日豪の共同チームがまとめ、発表したとのことです。
〜以下、引用〜
血液中の老廃物を濾過(ろか)して尿を作る組織「ネフロン」の数は、腎臓1個あたり約100万個あるとされてきた。
しかし研究チームによると、その数は20万~200万個と人種などで差が大きいとわかってきたという。
チームは国内の健康な人、高血圧、慢性腎臓病の各9人、計27人の腎臓を調べた。
推計すると、健康な人は平均64万個。
高血圧患者は39万個、慢性腎臓病患者は27万個だった。
欧米人の平均90万個と比べ大幅に少なかった。
日本人の腎機能が弱いのは、体格、腎臓ともに小さいためとみられる。
塩分の多い食事でより負担がかかる。
神崎さんは「ネフロンの数は出生時に決まっている。
近年増加傾向の低体重で生まれる赤ちゃんが特に心配だ。
生活習慣に気をつけ、腎機能を継続的に調べる必要がある」と言う。(杉本崇)
〜朝日新聞digitalより引用〜
腎臓のネフロン数が民族ごとに違う、 当たり前っちゃ当たり前のような気がしますが、 日本人は生まれつきネフロン数が少ないということなんでしょうね。
腎は先天の精を宿す
鍼灸や漢方などの東洋医学では、 「腎は先天の精を宿す」 と考えます。
両親からもらった、先天的なエネルギーが腎臓に宿るということです。
先天的エネルギー=生命力 と捉えてもいいですね。
つまり、生命力というのは、 生まれた時点で決まっている。ということです。
「え!そうなの?」 とがっかりする方が多いと思いますが、安心してください。
生まれてからの習慣など、 つまり養生などで先天の精を増やすことはできなくても、 減るのを遅らせることができます。
つまり上にあった、 「出生児にネフロン数は決まっている〜」 というのも同じですね。
ではどうするのか?
ということなんですが、 腎臓を疲労させすぎないということが重要になってきます。
そうなると、朝日新聞でも書いてあるように過剰な塩分摂取は腎臓を疲労させてしまいます。
ここで患者さんからよく質問されるのが、 「自然塩なら大丈夫ですか?」
現代の風潮として、マクロビオティックや自然食療法などの影響で、
・科学的に生成された食塩(塩化ナトリウム)を摂取すると、血圧が上がる。
・自然塩なら極端にとりすぎなければ、むしろ体に良い。
というのがあります。
この辺に関しては、 にがりがタンパク質を固めるので、自然塩の方が腎機能を低下させやすい。 という説もありよくわかりません。 →これはトンデモ論の可能性もありますね。
塩分にしても、タンパク質の摂取についても、 特に腎臓に問題ない人は常識の範囲内で食べていただければ問題ないです。
まあ、ほどほどにしておいた方がいいでしょう。
他にも
足首を冷やすと腎を傷める。
立ち仕事が多いと腎を傷める。
ということが昔から言われています。
その辺も踏まえて適度に実践していくのが現実的なやり方です。
ネフロンの数は出生時に決まっている。近年増加傾向の低体重で生まれる赤ちゃんが特に心配だ。
上に書いてある、医師の言葉です。
ということは体が小さい人の方が腎臓も小さく、ネフロンの数も少ないということなんでしょうか。
欧米の人は日本人よりも肝臓が大きいから、アルコール代謝能力が優れている。
みたいなことを以前聞いたことありますが、それと同じような理屈なんでしょうか。
これは単にクレアチニンやeGFRの数値だけで判断しているとしたら、
ちょっと微妙か情報かな・・・と。
末期の腎不全と言われている方でも、
eGFRが改善していく方いますからね。
透析間近でシャント手術受けても、
1年以上透析せずにクレアチニン・eGFRの数値が改善していく方もいますしね。
つまり少ないネフロンでも腎機能を回すことができていたんですね。
まとめ
ネフロンが少ないよりは多い方がいいと思いますが、
ネフロン一つ一つのポテンシャルを発揮できていれば万事OKかな、と。