当院に来院されている患者様から、「お酒は飲んだらダメなのは分かっています。ノンアルコールのビールならいいですよね?」という質問を今までに何度か伺った事があります。
ノンアルコールビールはアルコールは入っていないので、普通のビールよりはマシですが、炭酸が入っているため膵臓に負担をかけてしまいます。他にも成分表を見るとあまり体に良さそうなものが入っていないのでおススメは出来ません。
大体の慢性膵炎の患者様は、アルコールだけでなく炭酸自体が膵臓に負担をかけていくという事は知っています。
ただ冒頭に書いたように病院等の指導で案外教えられていないケースもあるようなので、簡単に、どうしていけないのかを書いていきます。
炭酸飲料が体に入ると体はどんな反応を起こす?
まず炭酸飲料が口に入ると特有の爽快感をのどごしで感じられ、食道を通って胃の中に入っていきます。
炭酸で胃壁が刺激され、胃酸の分泌が亢進します。
胃酸はpH1〜1.5と強酸性です。
胃酸で満たされた、胃の中の内容物は今度は十二指腸に入っていくのですが、十二指腸は強酸性のままだと組織を壊されてしまうので、膵液で中和していき十二指腸が溶かされないようにしていきます。
つまり炭酸飲料(ノンアルコールビール含む)を飲むと膵液の分泌が多くなる、ということです。
膵炎になっている方は、膵液が十二指腸へ開口する部位に何らかの問題があったり、膵管が狭窄している場合が多いので、多量の膵液が分泌されると膵液の逆流が起こるなどで、症状を悪化させるリスクが高くなります。
これは炭酸飲料に限った話ではなく、カフェインを多く含むコーヒーや、味付けの濃い食べ物などの胃液の分泌を促進するもの全般にいえます。
では、どうしたら良いのか?
慢性膵炎の患者様の中には、症状も落ち着いていて、気にしないで飲む方もいらっしゃいます。ですが、それはそれ相応のリスクもあるということを分かった上で飲んでいる様です。
ノンアルコールビール含め、炭酸系飲料は控えるべきでしょう。
症状について詳しくはこちら
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