膵臓から十二指腸に膵管が開口しています。 膵管が開口する部位を、ファーター乳頭といいます。 慢性膵炎の場合、このファーター乳頭が開きにくい状態になっている事が多くあります。 胆石などでファーター乳頭が詰まっている事もありますが、そうではなくても何らかの理由で開かなくなり、膵管の圧力が高まる・膵液の逆流などで膵臓に痛みが出る、という事がおきます。
ファター乳頭・オッディの括約筋に関するツボの動画も参考にしてみてください。
何らかの理由とは?
慢性膵炎でファーター乳頭が開きにくい状況を作っている何らかの理由は「ストレス」と考えています。
経験上、膵臓は精神的なストレスに敏感な臓器であると感じています。
東洋医学では脾(膵臓)は思・憂を司るとも言い、精神的なストレスに弱い事を表していると考えられます。
大昔から言われている事は現代でも当てはまるのだ、つくづくと感心するところです。
そして、そのストレスに対する処置として、
「副腎」という臓器の調整がカギになります。
副腎と慢性膵炎
当院での慢性膵炎に対する実際の施術では、副腎という臓器の調整も重要視しています。
鍼灸の名人である故・長野潔先生の臨床でも副腎を調整する事で慢性膵炎を改善させていたと言う記録があります。
その記録(鍼灸臨床新治療法の探求)によると、「副腎の調整により、副腎皮質ホルモンの分泌→膵液分泌の抑制→オッディの括約筋の緊張緩和→腹痛の消失→好転・回復」という作用機序を記してあります。
私自身も、高麗手指鍼・整体ともに副腎の調整を加える事で改善しやすくなっている、と感じてます。
慢性膵炎という病気を診る上で考える時、膵臓だけでなく他の臓器とのバランスを考えて施術をおこなうことでより一層の施術効果が見込めます。
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